ショートステイ

義母がまだ、自宅にいたとき、特養のショートステイを利用した。

この地域では古く有名な特養、できたらそこへ入所してもらいたかった。

 

最初はうまくいっていた。介護士さんの対応も丁寧であった。そのうち、けがをして帰ってくるのが多くなった。けがをさせられるわけではない。けがを防げないのだ。

 

義母の介護は大変であった。

こちらが言うことを理解してくれない、待ってて!がわからない。動いてしまうのだ。動けるので動いてしまうのはいたしかねないが、本人一人では歩けない。

自分が介護されて移動しているのを理解していない。いつも自分は普通に歩けると思い、動き出すのだ。どこかにつかまるが、つかまる場所がわからず、よって、転倒、けが。

 

夜中に階段を降り、落ちて頭に13針縫ったこともある。階段は血の海になった。階段に出ないように柵を付けた。簡単な閂状の金具も付けた。

そういった人を施設に任せるのもいけなかった。送ってくれた介護士さんに施設でこんなに困ると延々文句を言われた。わかっている。でも私には どうすることもできない。話をしていて、涙が出た。

 

「面倒見られないなら、そう言ってください」

 

言ってはくれなかったが、次のショートは一晩でけがをして、迎えに行った時に「もうこちらでは、お世話できません」と最終決定を下された。

 

その時の母は、トイレに座って、している最中にも立ち上がっていた。座っている前で見守りをしていた。そうしないと、すべてがビショビショになり、仕事が増えた。

 

いけないのであったが、早く動けなくなってほしいと願わずにはいられなかった。認知症の介護は地獄だった。

 

デイサービスも大変で、誰かしら見守るという態勢だったらしい。デイサービスまで断られたらどうしょうと思った。デイサービスの方はさすが断らなかったのだが、代わりに老健を探してきてくれたのだ。