年寄りと暮らす
いつでも退院して良いとのことで、義父は今週退院する。個室からふたり部屋に移ったが、入院費が気になる。
今回、夫の要望で入院した。私自身は退院後がかえって心配なので、入院はそれほど望んではいなかったが、ちょっと嫌気がさしていた夫は意外に強引だった。ふだんはなんでも相談してから話を進めるが、その日は独断だったのだ。
入院中、夫はのびのびしていた。
もちろん、見舞いにも行っていたし、義父の部屋の片付けや掃除も率先としてやっていたが、夜は好きな音楽を思い切りかけたり、楽しそうだった。
家にいる義父は我儘だ。
義母が存命中はそれほどではなかったが、亡くなってからは要望が増えた。
気持ちが悪いから薬を飲んだほうがいいか?
ー私たちは医者ではない。それに義父は病院の薬をきかないとすぐに捨てる。それを繰り返しているので、なにか訴え られると、嫌になる。
こんな、全部やっている年寄りはいない。
ー全部ではない。
風呂は夫が介助しているし、通院も車で連れて行っている。掃除機も家族がかけている。
自分がこんなにもできるということを喜んでいないのだ。
年寄りになんでやらせるのだ、という感じだ。
義母が亡くなり、今度は自分が同じようにして欲しいと思っているのだろうか?義母は要介護5.義父はぎりぎり要介護1だ。自分でできることは自分でやって欲しい。
夜、眠れない。
ー昼間眠っているから。
ひとりはさびしい。
ーわかってはいるが、同じ家で暮らしている。日に何度もあっているし、夜もすぐに私や夫を呼ぶ。世の中ひとり暮らしの年寄りがごまんといる中、一人でいる心配はないのだから、もう少しひとりを楽しんで欲しい。
義母の介護が大変だったので、義父はそれに比べればたいしたことはないのだが、介護度だけでは測れない大変さが義父にはある。
介護は大変ではないが、付き合うのは憂鬱だ。