認知症はじめ

 

 

はじめは鬱病であった。

さかのぼること、50年前、原因は色々言われたが、よくわからない。もちろん私は知らない時だ。時々、あらわれる。それで認知症の発見が遅れた。

 

みんなまた鬱だと思っていたようだ。

孫の名前が曖昧になったり、簡単なことを聞いてくる。

風呂の付け方を聞いてきた。もう何年も使っている風呂だ。それも簡単な湯はりと追い炊きしかない風呂。おかしいと思って夫に言ったら、念のため聞いたんだろう、と言われた。

 

ガス台のツマミも取れてた。うちのと同じ製品だったので、おかしいと思ったが、本人いたって明るかった。取れちゃったのよねーと。もうちょっと驚ろくレベル。そのうちまた取れた。三口コンロのうち二つも使えないんじゃ不便だろうから、「ツマミどこ?付けるよ」と言ったら、どこ行ったかしら?と興味ない様子だった。今思えば、どうやって回すかわからなくなって、力まかせで取ってしまったんだろう。

 

台所仕事はおもに義父がやっていた。

鬱状態が出てくると、台所ができなくなるので、義父は今まで通りやっただけだ。

 

私もまさか認知症だとは思わなかった。

もともとのほほんとした人だったので、とぼけてる位しか思わなかった。

その時検査すれば、早くわかり もうちょっと結果が変わっていただろうか?

遅らせられただろうか?

今いろいろ考えてしまうが、その時は少しも考えなかったら。精神科にも通っていたし、医者はよく診てくれていた。

 

5年前のことだった。