逝く
深夜に帰ってからも少しぼーっとしていたが、いけないと思い風呂に入り、就寝準備中にまた電話が鳴った。
じいさんが亡くなった。
朝まで病室にいると言った私だが、促されて帰ってから、急変したらしい。
あれから1時間しか経っていない。
長男は着替えてすぐに病院に向かった。
私はまだ風呂上がり、身体を拭いていると、雨の音、、、深夜の雨。
深夜一人で自転車で雨の中走る元気もなく、雨がやむのを待った。以前、お世話になった葬儀屋に夜中電話、仕事とは言え大変である。
雨が止む頃、もう遺体は葬儀場へ。
家の前を車で通ってくれた。今都会では、自宅で葬儀を執り行う家はないので、近所は亡くなったことなど知らない。
以前は近所まとまって送迎バスに乗り行ったりしたが、それもやらなくなった。周りは年寄りばかりだ。施設に入っている方、自宅で介護されている方、一人暮らしで毎日のようにヘルパーさんが来ている方。みんな事情を抱えて精一杯生きている。
葬儀場に着いた。打ち合わせをしていた。また家族葬、一日葬で執り行うことを、夫は決めていた。
まだ、前の葬儀から1年経っていない。正確には11カ月、の月命日だ。
義母は四十九日に納骨が間に合わなかった。入退院を繰り返したじいさん、元気な時は、寒いから!と言って延ばし延ばしになっていた。二人分になっちゃう!と思っていたら、本当に二人一緒の納骨になった。
一周忌と四十九日を一緒にやるつもりだ。